PERSON

変わらぬ味を守るために。
製造現場を支える責任。

八王子総合工場 冷凍食品工場
荻野 Ogino
職  掌: P&E
職  種: 生産・品質
仕事内容: 冷凍食品工場の品質管理
入  社: 2015年

企業選びの軸は工場勤務。

大学の専攻は理学部化学科。理系科目が得意だったことから学部学科を選択したものの、わかったのは自分にはあまり研究は向いてなかったこと(笑)。じっと机に向かって実験を繰り返してデータと睨めっこするよりは、フィールドワークのように課外活動のなかで試行錯誤する方が得意なのだと気づきました。だから、サークルやアルバイトに熱中しましたし、長期の休みにはリュック一つ背負って海外へも出かけました。安宿に泊まりローカルフードを食べ、あちらこちらへと気の向くままに現地旅を楽しむ日々。もともとはかなり慎重な性格。ですが、思いがけないトラブルにも見舞われる海外旅を経験してきたことで、ときにはエイヤッ!と大胆に行動する力も身についたように思います。

将来はモノづくりを行う工場で働きたい。就職活動で大切にしていた企業選びの軸のひとつである「工場勤務が叶う企業」は、一般的な女子大学生からすると少し珍しくもありました。でも私にとって工場はすごく魅力的な場所。メーカーにとって命ともいえる自社商品がまさに誕生する現場、それはつまり、モノづくりの最前線で商品づくりと向き合えるということ。そのライブ感は、現地・現場でワクワクする物事と出会うのが好きな、私の性分にも合っているような気もしました。

食品メーカーに興味を持ったのは漠然とですが、たくさんのお客様を幸せにできる可能性を「食」に感じたから。数多ある食品関連企業のなかでニッスイを選んだのも、商品ラインナップが幅広く、よりたくさんの人に喜びを与えられると思えたためでした。

生産管理と品質管理。

1年目から希望通りの工場勤務となった私が最初に配属されたのは、兵庫県にある姫路総合工場。そこでは現在の仕事とは異なる生産管理の業務に携わります。ちくわ・磯辺揚げ・ちゃんぽん麺など、当社の主力製品の生産を担う重要な拠点でのポジションです。1〜2年目は、原料の調達と出荷手配、3年目からは製品の収支管理、4年目には生産計画を任され、姫路総合工場で勤務した丸5年で、生産管理の一通りの業務を経験することができました。

「さらに視野を拡げるためにも他の工場で働く経験を積みたい」。そう考えた私は人事面談の際に今後のキャリアを相談しました。すると6年目には東京都の八王子総合工場への異動が決まり、冷凍食品工場の焼きおにぎりの品質管理に携わるようになりました。その役割は、商品の品質を損なわぬように工場全体の環境を整備すること。製品が規格通りにつくられているかを管理するのはもちろん、工場全体の衛生状態を守ることや機械トラブルがあった際の対応など、業務範囲は多岐に渡ります。特に新製品の製造が開始されたときや製造機械の入れ替えがあった際には、商品の品質を損なわぬように細心の注意を払う必要があります。

そうして八王子総合工場に移って暫くすると、工場の大規模改修プロジェクトに関わることが決まりました。

生まれ変わった、
焼きおにぎり工場。

焼きおにぎりの品質を落とすことなく、生産性を120%高めたい。会社からのオーダーを受けるやいなや、現場では大規模な改修プロジェクトが立ち上がりました。製造機械の入れ替えや製造ラインのレイアウトの変更などは技術開発部をはじめとする他部署が担うのですが、品質管理の業務は工場内の製造環境が新しくなってもこれまでと同じ品質、衛生環境を担保できるように考えなくてはなりません。例えば、生産量が増えたときに必要になる製造条件の変更点の確認や、その変更により問題を生じさせないためのテスト計画の検討など、考えることは山のようにありました。それに加えて、日毎の商品製造数を減らすことはできません。いかに生産を担保しながら新しい設備を導入できるか、がカギでした。

私が重視したのは、周囲とのコミュニケーション。考えうる大小さまざまな課題点を関係各所と連携しながら解決していく。プロジェクトは途中、トラブルに見舞われながらもスタートから約1年後に収束を迎え、工場の生産ラインは見事に新しいものへと刷新。いまではかつての120%増の生産が適う工場となり、当初の予定通りに品質を落とさぬまま、生産効率を上げる結果となりました。

安心・安全を前提とした食品を、欠品することなく、日本中の至るところへ。当たり前の日常を支える、それが工場に勤める私たちの使命です。