サクッとおいしい!さかなの唐揚げのコツ
ようやく暑さが過ぎ、風に涼やかな秋の気配が薫るようになってきました。秋といえば食欲の秋、さかなもおいしい季節です。刺身でよし、焼いても、煮てもおいしいさかなですが、実は揚げても絶品。サクサクした衣の中にホクホクのやわらかい身が顔をのぞかせると、思わず笑みがこぼれてしまいます。今回は、そんな魚介の唐揚げ特集をお届けします。
唐揚げにするとおいしい魚は?
唐揚げといえば、真っ先に思い浮かぶのが鶏肉の唐揚げですよね。さかなだって負けてはいませんよ。では、どんなさかなが唐揚げに向いているのでしょう。考えて見れば、まぐろの唐揚げやかつおの唐揚げってあまり聞いたことないですよね。
やっぱり、さかなの唐揚げといえば白身魚が主役。ぶりやかれいなど、身が淡白でやわらかいさかながおすすめ。歯ごたえのあるたこも唐揚げにするととってもおいしいのです。秋から旬を迎えるさけは、通好みの唐揚げ。さばやあじなどの青魚もいけるけど、フライの方が合うのかも。脂の乗ったぶりは、竜田揚げでもおいしいです。
ところで、唐揚げとフライ、竜田揚げってどう違うの?と思った方もいることでしょう。そんな方のために、揚げ物の違いを整理しましょう。唐揚げは、主に「小麦粉や片栗粉」を付けて揚げます。フライは「(小麦粉)、卵、パン粉」を付けて。竜田揚げは、「醤油、みりん」で下味を付けて、「片栗粉」をまぶして揚げます。
サクッとおいしく揚げるコツ
唐揚げの命ともいうべき、あのサクっとした食感はどうすれば出るのでしょう。まず基本は、調理前にさかなの水気をしっかり取ること。さかなに水気が残っていると油はねの原因になったり、衣がはがれやすくなったりします。ペーパータオルでしっかりふき取っておきましょう。
魚介の唐揚げの場合、適温は180〜190℃。油温計がない場合は、油に衣を少量入れてみて、衣が沈まずに表面で散れば適温と覚えておきましょう。さかなを油に入れる際は注意が必要です。サクッとおいしく揚げるには油の温度を一定に保つのが大切なポイントなのですが、一度にたくさん入れると油の温度が下がってしまうのです。さかなは油表面の3分の1に程度にとどめるようにしましょう。
衣のしんなりを防ぐ、油切りのポイント
唐揚げの最後の仕上げが油切り。注意したいポイントを紹介しましょう。まず、唐揚げを受ける網の上にペーパーをのせないこと。これ、誤解している方が多いのですが、ペーパーは網の下に引いて油受けとするのが正解です。から揚げを直接ペーパーに乗せてしまうとベタっとして唐揚げのサクサク感が損なわれてしまいます。
次に使用する鍋の注意です。揚げ鍋のふちに網が乗っていて、揚げたものを乗せれるタイプの揚げ物用鍋があります。切った油が鍋に落ちるので油のムダを防げるわけですが、鍋の上には油から蒸発した水蒸気がもくもく出ています。その上に揚げ物を置くとせっかくカリッと揚げた衣がしんなりしてしまいます。油切りは鍋から離れた位置にしましょう。
最後は、唐揚げの置き方について。たまに揚げ物を重ねて置く方を見かけますが、これはおすすめできません。重ね置きすると、揚げ物自体の重みで衣の油が染み出し、時間とともに中から水気も出てくるのでベタっとしてきます。こうなると、カリカリの衣も見る影なし。お皿に盛りつけるときは、少し離して置くと良いでしょう。
魚介の唐揚げをサクッとおいしく揚げるコツをご紹介しました。最後に、揚げ物をおいしく食べる最大の秘訣をもう一つ。それは、揚げたての熱々を食べること。どんなにうまく揚げても時間がたって冷めてしまえばおいしさも半減です。そのためにも、お店で買ってくるより、自宅で揚げるのがいちばん。さあ、今夜はどんなさかなを揚げましょうか?