手軽に摂取するための技術開発に挑戦​

EPAやDHAにはさまざまな健康効果が報告されていますが、普段の食事から十分な量を摂取するのは難しいといわれています。そこでニッスイは、EPA/DHAを継続的に摂取しやすく、かつおいしい飲料や食品の開発に取り組んできました。
しかし、魚の油には特有の味や香りがあり、酸化による劣化臭も発生しやすいため、高濃度配合とおいしさを両立させるのは難しい課題です。これまで何度も挑戦してきましたが、実現には至りませんでした。そのため、過去に自信を持って開発した製品設計であっても、常識を疑い、各素材の効果を一から見直して技術の確立に取り組んできました。

図 1.EPA/DHA高含有飲料の商品化例​​​​​​

研究のアプローチ​

EPA/DHA含有飲料・食品のおいしさには、タンパク質、脂質等の食品素材が重要な役割を果たしますが、それらはEPA/DHAの乳化状態を不安定化させます。さらには、乳化状態の不安定化に伴い、酸化しやすくなったり、魚本来の香りを感じやすくなったりすることもあります。そこで、EPA/DHAを高濃度含み、かつおいしい飲料・食品の品質の向上・保持を実現するために重要な、食品素材を含む飲料・食品の乳化安定化技術、魚油の特有の香りのマスキング技術、酸化防止技術の3技術の向上に取り組みました。​

図 2.マスキング技術と酸化防止技術の研究結果の推移​

乳化状態という特徴的な状態のEPA/DHAに対して、どの素材が最も効果があるのか、その効果は最終製品の品質向上につながる効果であるのかを、乳化状態・酸化状態の評価、官能評価を組み合わせて網羅的に評価。その結果、おいしさと品質安定性を兼ね備えた技術開発へとつながりました。​

図3.魚独特のにおいを感じさせない独自の精製技術​​​​​​

研究成果​

この技術によって、サプリメントのような健康のための飲料・食品ではなく、嗜好飲料・食品としておいしさを楽しみながら、EPA/DHAの健康機能を得ることができる「EPA習慣」などの製品も誕生しました。今後、さまざまな飲料・食品に拡大できそうな基礎技術が確立されつつあります。魚食離れが進んでいると言われている中で、日々の生活において魚由来のEPA/DHAを手軽に摂取することで、バランスの良い食生活と健やかな未来の実現をサポートしていきます。​​

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