食卓に海の香り!かきを存分に楽しもう
海のミルクと称される、栄養たっぷりのかき。クリーミーで濃厚な味わいも魅力ですよね。焼いてよし、蒸してよし、もちろん、生やフライにしても最高!今回は、食卓に爽やかな海の香りを運んでくれるかき料理を一挙にご紹介。基本情報から豆知識、下ごしらえや新鮮なかきの見分け方など、おいしいかき情報満載でお届けします。
古来人々に親しまれてきたかき
歴史上の偉人に愛されたおいしさ
日本で食べられるかきは、「まがき」と「いわがき」の2種類。鮮魚店やスーパーで見かけるのは、ほとんどまがきです。まがきのシーズンは、秋から春にかけて。クリーミーで濃厚な味わいと栄養価の高さから、海のミルクとして親しまれています。一方、いわがきは春から夏にかけてシーズンに旬を迎えます。まがきと比べて身が大ぶりなのが特長。味は独特の渋みをもち、海のチーズとも呼ばれています。
食としての歴史は大変古く、日本では縄文時代の貝塚から多くのかき殻が見つかっているんですよ。シーザー、ナポレオン、伊達政宗、松尾芭蕉、など、かきをこよなく愛したという歴史上の人物もたくさん。食としてのかきの歴史を感じないわけにはいきません。美食の国、フランスではかきを使用した料理が300種類、中国でも100種類以上のかき料理があるといわれています。数多くのかき料理があることにも驚きですね。
かきにまつわる有名な諺(ことわざ)、「『r』のつかない月のかきは食べるな」というものがあります。『r』のつかない月とは、英語で月を表記したときの5月〜8月。この期間、かきは卵を産むためやせ細ってしまいおいしくないということを表しています。ただし、いわがきは先述したようにこの時期がシーズンとなります。
新鮮なかきを選んで丁寧な下ごしらえ
おいしさのポイントはこれ!
おいしいかきの見分け方をご紹介しましょう。スーパーや鮮魚店で見かけるかきは、むき身の方が圧倒的に多いですね。むき身は、身が厚くて淡いクリーム色のものを選びましょう。貝柱も大きくてふっくらしたものが特におすすめです。また、かきの外側には黒い外套膜という部位があり、この部分に厚みがあり、黒々とした濃い色合いのものが新鮮な証しといわれています。
ところで、むき身をパッケージしたもので「加熱用」「生食用」と表記されているものがありますが、鮮度を表したものではないのです。生食用は、保健所で指定されたきれいな海域でとれたかきを殺菌処理したもの。加熱用は、殺菌処理を行わずに水揚げしてすぐに出荷したものという区別がされているのです。加熱用の鮮度が悪いわけではなく、むしろ栄養も旨味も多いので加熱料理の場合は、加熱を選びましょう。
おいしく食べるコツは、下ごしらえ。かきは、海の汚れや臭いが付着しています。これをしっかり落とすことが大切です。ボウルに塩水を入れ、かきのひだの部分を広げるように汚れを取り除きましょう。この時、力を入れると身が崩れるのでやさしく丁寧に。ふり洗いをする感じが良いでしょう。また、調理したかきの身が縮んでしまうことがありますが、これを防ぐポイントは片栗粉を使うことです。
下処理をしたかきに軽く片栗粉をまぶし、沸騰したお湯で10秒ほど茹でて冷水にとる。このひと手間で、プリプリのかきを堪能できます。
かきを使ったバラエティ豊かな料理
今夜すぐにできるメニューをご紹介
では、かきを使った簡単おすすめ料理の紹介です。やはり定番メニューはカキフライですね。サクサクと香ばしい衣の中から広がる海の香り。おいしさのポイントは、加熱用のかきを塩水で丁寧に洗い、小麦粉、溶き卵、パン粉の順に衣を付けて、やや高めの温度(170℃)で揚げること。揚げる時間は40秒ほどと覚えておいてください。
かきのオイル漬けは、お酒のつまみはもちろんどんな料理にも活かせる逸品。まず、下ごしらえしたかきをフライパンで強火にかけ水分を飛ばします。にんにく、鷹の爪などと瓶に詰めてオリーブオイルを注ぐだけ。冷蔵庫に保存して1週間くらいが食べごろです。かきの芳醇な香りと食感を楽しめる上、オイルもいろいろ使えますよ。
さらに、かきはグラタンや和風サラダ、パスタ、炊き込みご飯、ピカタなど、様々な料理をおいしく引き立てます。余ったら冷凍するのがおすすめ。よく水洗いしたかきの水気を拭いてから密封容器に入れて冷凍すれば1ヶ月ほど保存可能です。冷凍したかきは、解凍しても生で食べることはできませんので、くれぐれも注意してください。
かきとほうれん草のグラタン
材料 [2人分]
かき(加熱用)150g
ほうれん草 150g
たまねぎ 1/2個
しめじ 50g
バター 20g
小麦粉 大さじ2
牛乳 400ml
塩 少々
こしょう 少々
ピザ用チーズ 60g
- かきは3%濃度の塩水(分量外)でふり洗いし、ペーパータオルで水気をふきます。
- ほうれん草はゆでて水にさらしてしぼり、約4cm長さに切ります。たまねぎは薄切りにし、しめじは小房に分けます。
- フライパンに(1)を入れ、表面にこんがりと焼き色がつくまで中火で焼き、取り出します。
- フライパンにバターを溶かし、中火でたまねぎを半透明になるまで炒め、小麦粉を加えてだまにならないように炒めます。牛乳を加え、とろみがつくまで煮たら、しめじを加え、塩・こしょうで味をととのえます。
- (4)に(3)・ほうれんそうを加えてを混ぜ合わせ、バター(分量外)をぬったグラタン皿に入れてピザ用チーズをのせ、予熱したオーブントースターで8~10分間焼きます。
かきと白菜のゆず和え
材料 [2人分]
かき(加熱用)150g
白菜 2枚
塩 ひとつまみ
ゆずの皮 1/4個分【ドレッシング】
ゆずのしぼり汁 1個分
サラダ油 大さじ1・1/2
塩 小さじ1/2
こしょう 少々
- かきは3%濃度の塩水(分量外)でふり洗いし、熱湯に入れて身がふっくらと弾力が出るまでゆでます。
- 白菜の軸は拍子木切り、葉はざく切りにし、塩をふって約10分間置き、水気をしぼります。
- ゆずの皮は細切りにします。ゆずのしぼり汁・サラダ油・塩・こしょうを混ぜ合わせて【ドレッシング】を作ります。
- (1)・(2)・ゆずの皮半量を【ドレッシング】で和え、器に盛り付け、残りのゆずの皮を散らします。
かきの和風スパゲッティ
材料 [2人分]
かき(加熱用)100g
塩 少々
スパゲッティ 160g
スパゲッティのゆで汁 100ml
だいこん 200g
小ねぎ 1本
かいわれ大根 1/2パック
ミニトマト 2個
にんにく 1片
しょうが 1片
オリーブ油 大さじ2
しょうゆ 大さじ1
みりん 大さじ1
砂糖 小さじ1
- かきは塩でもみ洗いし、水気を切っておきます。
- にんにく・しょうがは薄切りにします。だいこんは皮をむいてすりおろし、小ねぎは小口切り、かいわれ大根は軸を切り、ミニトマトは半分に切ります。
- 鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩(分量外)・スパゲッティを入れてゆで、水気を切ります。
- フライパンにオリーブ油・にんにく・しょうがを入れて火にかけ、香りが出たら(1)を入れ、焼き目がついたら取り出します。
- (4)のフライパンにスパゲッティのゆで汁を入れ、しょうゆ・みりん・砂糖を加えて混ぜ、(3)を入れて和えます。
- 器に盛り付け、だいこんおろし・ねぎ・かいわれ大根・ミニトマトを飾ります。
かきの土手鍋風うどん
材料 [2人分]
かき(むき身・加熱用)150g
ゆでうどん 1玉
焼き豆腐 1/3丁
長ねぎ 1/2本
しめじ 1/2パック
春菊 1/4束
にんじん 1/4本
たまご 1個
昆布だし 600cc
みそ 60g
酒 大さじ2
みりん 大さじ2
- かきは3%濃度の塩水でふり洗いします。
- 焼き豆腐は約2cm厚さ、長ねぎは斜め切り、しめじは小房に分け、春菊は葉をつみます。にんじんは約5mm厚さの輪切りまたは半月切りにし、サッとゆでておきます。
- 土鍋に昆布だし・みそ・酒・みりんを入れ中火にかけ、煮立ったらゆでうどん・焼き豆腐・長ねぎ・しめじ・にんじんを入れ5~6分間煮ます。春菊・たまごを加えてフタをし、火を止めます。
かきめし
材料 [2人分]
かき 100g
米 1合
だし汁 200ml
しょうゆ 小さじ2
酒 小さじ2
塩 少々
しょうが 10g
大葉 2枚
- しょうが・大葉はせん切りにします。しょうがはトッピング用に少量を取り分けます。
- 炊飯器に米・だし汁・しょうゆ・酒・塩・しょうがを入れ、炊きます。
- 炊き上がり直前にかきを加えて蒸らし、炊き上がったらさらに15分ほど置いて火を通します。
- 軽く混ぜて、器に盛り、しょうが・大葉をトッピングします。