ニッスイグループ養殖事業、ナイロンカバー付きフロートの使用終了、 海洋へのプラスチック流出リスクを低減

2025年04月24日

 株式会社ニッスイ(代表取締役 社長執行役員 浜田 晋吾、東京都港区)は、「ニッスイグループ プラスチック問題に対する基本方針」(2020年制定)で挙げた漁具による海洋プラスチック問題への対処のひとつとして、養殖場のいけすで使用していたナイロンカバー付き発泡スチロール製フロートを、海洋へのプラスチック流出リスクの低い仕様のフロートへの切り替えに取り組んできましたが、2025年3月末をもってすべての切り替えが終了しました。

切り替え後のフロート(株式会社ニッスイまぐろ)

 これまで海面養殖では、ナイロンカバーで覆った発泡スチロール製のフロートが一般的に使用されてきましたが、強度不足によりナイロンカバーが破損、内部の発泡スチロール(ポリスチレン)が粉砕・流出して、海洋プラスチックの一因となることが指摘されていました。

 ニッスイグループは、海外ではサーモン、国内ではブリ・サーモン・クロマグロなどの養殖事業を展開しています。2019年度の調査の結果、養殖事業全体で19,540個を保有していることがわかりました。これを受けて同年、「2025年3月末までに養殖用のナイロンカバー付き発泡スチロール製フロートの使用を中止し、より海洋へのプラスチック流出リスクの少ないフロートへの切り替えを完了すること」を目標とし、プラスチックの海洋流出リスクの少ないPEコーティング発泡スチロール製フロートや中空樹脂製フロートなどへの切り替えを開始しました。

 「ニッスイグループ プラスチック問題に対する基本方針」(2020年2月制定)においても、漁業・養殖業で使用するプラスチック製漁具の材質の見直しや管理の徹底によるマイクロプラスチックやゴーストギアの発生防止を挙げており、中期経営計画「GOOD FOODS Recipe1」(2022~24年度)において海洋へのプラスチック流出リスクの低いフロートへの全量置き換えを目標としていました。

【切り替え前の例】

ナイロンカバー付き発泡スチロール製フロート

内部の発泡スチロール

【切り替え後の例】

PEコーティングされた発泡スチロール製フロート

 ニッスイグループは、「サステナビリティ行動宣言」の中で「環境負荷の低減および自然環境と生物多様性の保全」を挙げ、「海洋の生物多様性の主流化」と「脱炭素・循環型社会への貢献」をマテリアリティ(重要課題)の中に設定し、全ての事業でサステナビリティに取り組んでいます。
 今後もニッスイは持続可能な社会に向けて価値を創造するサステナビリティ経営を推進し、ミッションである「健やかな生活とサステナブルな未来を実現する新しい"食"の創造」を体現していきます。

以上

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