三井住友信託銀行と「ネイチャー・インパクトファイナンス」の契約を締結
2025年03月19日
株式会社ニッスイ(代表取締役社長執行役員 浜田 晋吾、東京都港区)は、三井住友信託銀行株式会社(取締役社長 大山 一也、東京都千代田区、以下「SMTB」)が提供する「ネイチャー・インパクトファイナンス」(以下「本商品」)の第一号案件として、3月19日に同社と融資契約を締結しました。
本商品は、企業活動が自然に与えるインパクトを評価し、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)提言などに基づく情報開示のさらなる充実化を促すなど、SMTBが企業の自然に対する取り組みを支援することで、両者が連携して持続可能な社会の発展に貢献していくことを企図したインパクトファイナンスです。
本契約に係る評価(以下「本評価」)は、SMTBによる「サステナビリティ体制評価」ならびにイー・アール・エム日本株式会社(*1)による「自然に対するインパクト評価」および「TNFD開示等に基づく自然資本経営評価」により構成されます。本評価を通して企業活動が自然に与えるインパクトを特定し、SMTBは設定したKPI・目標の進捗をモニタリングしインパクトの発現を支援します。
なお、本商品のフレームワークは、環境省の「インパクトファイナンスの基本的考え方」への適合性について株式会社日本格付研究所より第三者意見(*2)を取得しています。
ニッスイは、2023年12月に「ニッスイグループTNFDレポート2023」を発行し、グループの事業活動における自然への依存と影響を把握するとともに、リスクと機会を評価し、それらへの対応策を開示しました。また、TNFDのEarly Adopter(早期採用者)として登録し、自然資本を適切に評価し、それを考慮した事業運営を推進しています。
ニッスイはマテリアリティ(重要課題)の一つに「海洋の生物多様性の主流化」を掲げ、海洋の生物多様性保全と持続可能な資源利用を経営の意思決定に組み込んでいます。TNFD情報開示以降、国内外の多様なステークホルダーとの対話を重ね、その意見を取り入れながら、取り組みをさらに深化させてきました。
本評価では、ニッスイの自然関連の取り組みの妥当性に加え、自然を考慮した経営の高度化に向けた将来的な課題についても示されています。ニッスイは本評価を踏まえ、自然関連の取り組みを一層強化し、事業と自然資本の持続可能性をともに高めることで、長期ビジョン「Good Foods 2030」で掲げる「人にも地球にもやさしい食を世界にお届けするリーディングカンパニー」の実現を目指していきます。
<本評価の目標と指標(KPI)>
本契約締結に当たりSMTBは、イー・アール・エム日本株式会社による評価(以下「専門評価」)において特定された重要なインパクトおよび目標と指標(KPI)が妥当であることを確認し、本評価において、ニッスイの自然に対するインパクト発現に向け以下の目標と指標(KPI)を設定しました。
なお、専門評価では、同社がニッスイの現状の取り組みについて優れていると評価する点および将来的な取組課題についても示されています。
創出する インパクト |
目標と指標(KPI) | |
---|---|---|
持続可能な 水産資源の確保 |
(a) |
目標 2030年までに持続可能な調達比率100%指標(KPI) 水産物の持続可能な調達比率 |
(b) |
目標 特に絶滅の危険度の高い水産物に関しては、2030年までに資源回復への科学的かつ具体的な対策が取られない場合には調達を停止指標(KPI) 絶滅危惧種(水産物)の調達量(トン) |
*1 イー・アール・エム日本株式会社
ERMグループの日本法人。同社はEHSS(環境・安全衛⽣・社会)やサステナビリティに関する幅広い知識と経験をもつコンサルタントを擁し、国内外の⺠間企業、業界団体や政府関連機関のクライアントに対し、様々な環境リスクを解決するための⽀援を⾏っています。
本件に関する同社のニュースリリースは以下よりご覧ください。
https://www.erm.com/ja/about/events/release_mar2025/
*2 株式会社日本格付研究所の第三者意見
詳細は同社のニュースリリースをご覧ください。
https://www.jcr.co.jp/download/d2d019c28828deb86807fff50b3e8bc103f10fb4f8011cbe90/24d1772.pdf/
以上