バナメイエビ陸上養殖事業を開始
2023年03月10日
株式会社ニッスイ(代表取締役 社長執行役員 浜田 晋吾、東京都港区)は、2016年より中央研究所大分海洋研究センター(大分県佐伯市)が行っていたバナメイエビの陸上養殖のフィジビリティ・スタディーについて、環境負荷を抑えながら高品質な製品の安定出荷にめどがついたことから、2023年4月1日より水産事業第二部の事業として運営を開始します。引き続き同センターが技術面をサポートします。
2023年度に年間110トン、2027年度までに既存の施設で年間140トンの生産を計画しています。また数年間で事業性を再評価し、増産を検討します。
頴娃陸上養殖施設全景(下部の複数の白い屋根)
同施設の出荷槽内を泳ぐバナメイエビ
ニッスイのバナメイエビ陸上養殖の特徴は以下のとおりです。
●閉鎖的な養殖池内で飼育水をほとんど換水せずに、微生物集合体(バイオフロック)によりバナメイエビの育成に適した水質を維持する「閉鎖式バイオフロック養殖システム」を採用しています。飼育水中でバナメイエビと共存させたバイオフロックが残餌や排泄物から発生する窒素源を硝化(*)し、水質を維持します。
●一般的なバナメイエビの養殖方法に比較して、飼育に使用する海水の取水量と排水量が大幅に少なく、環境負荷を抑制できます。
●屋内型の陸上養殖施設のため、外部からの病原体の侵入リスクを抑えられ、抗生物質などの投薬の必要がなく、バナメイエビを健康な状態で飼育できます。
●飼育に海水を使用するなどバナメイエビに適した環境を実現しているため、甘み・旨みが強いことが特徴です。
この「閉鎖式バイオフロック養殖システム」による陸上養殖バナメイエビは、2018年9月1日より業務用食材「白姫(しらひめ)えび」として数量限定で発売してきましたが、今後これを拡大し、全国の外食・量販店水産売場などに向けて販売します。
ニッスイが目指す健やかな生活とサステナブルな未来に向けた、新しい"食"のひとつとしてお届けします。
商品名 | 「白姫(しらひめ)えび」有頭セミIQF |
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温度帯 |
冷凍品 |
用途 | 生食・加熱のどちらでもご使用いただけます |
規格・荷姿 | 20/30、30/40、40/50、50/60、60/80、80アンダー いずれも500g×6箱×2合 |
販売地域 | 全国 |
【施設概要】
名称:株式会社ニッスイ 水産事業第二部頴娃養殖課 頴娃陸上養殖施設
所 在 地:鹿児島県南九州市頴娃町別府字今浦5602-1
敷地面積:約3.5ヘクタール
養殖池数:稚エビ用池2池、育成用池12池
従業員数:17名
(*)硝化
硝化菌と呼ばれる細菌により、酸素がある環境で窒素化合物から生じたアンモニアが亜硝酸や硝酸に酸化される現象。バイオフロックにはこの硝化菌が含まれています。
以 上