5年連続で「健康経営銘柄2023」に選定
2023年03月08日
株式会社ニッスイ(代表取締役 社長執行役員 浜田 晋吾、東京都港区)は、3月8日、経済産業省と東京証券取引所の共同による「健康経営(*1)銘柄(*2)」に選定されました。「同2019」の選定を受けて以来、5年連続です。
ニッスイは、持続的な成長と企業価値向上を目指すCSR経営のため、2016年3月に「CSR行動宣言」(2022年度より「サステナビリティ宣言」に名称変更)を発表し、以降「健康経営」をCSR活動の重要課題のひとつとして位置づけ、2017年2月「健康経営宣言」(*3)を制定、「従業員が能力を十分に発揮できること」「従業員とその家族のQOL(生活の質)が向上すること」を実現するため、心身の健康を積極的にサポートし、多様な人財が健康で能力を発揮できる環境を整備してきました。
2022年4月に発表した2030年に向けた長期ビジョン「Good Foods 2030」においても、さらに「サステナビリティ経営の推進」を基本コンセプトとし、経済価値・社会価値・人財価値・環境価値の四つの価値創造を通じた企業価値向上を目指しており、人財価値を重要価値としています。
「Good Foods 2030」の第1段階の中期経営計画「Good Foods Recipe1」(2022~24年度)では、「個人の健康促進」「私生活との両立支援」、「働きやすくやりがいのある職場づくり」を進めており、海の恵みを受けて事業を営む企業として、水産物由来の機能性成分であるEPA(*4)や速筋タンパク(*5)を最大限に活用した健康経営施策を実施しています。
これにより従業員の健康意識は向上しており、肥満率も改善しています。また2020年の「禁煙デー」導入以降、禁煙施策を年々強化し喫煙率も着実に低下しています。2023年3月には「365日就業時間禁煙化」を導入しました。オフィスのフリーアドレスや時間単位有給休暇の導入など柔軟な働き方制度も充実させ、ワークライフバランスの意識も定着してきています。
今後も健康経営を推進し、従業員の健康増進に加えて働き方改革を継続し、よりよい企業となるよう努めます。
2022年度の主な取り組み
2022年度は「個人の健康促進」の施策として、「EPA/AA比(*6)の向上」「肥満率の改善」「喫煙率の低減」を引き続き実施しました。
これに先立ち、健康管理支援システム「WellBis(ウェルビス、*7)」を導入し、健康管理をデジタル面でサポートする機能を充実しました。
「働きやすくやりがいのある職場づくり」では、「こころの健康サポート」を実施しました。
(1) 「EPA/AA比」の向上
- 2016年度より、全従業員の定期健康診断の検査項目に、心筋梗塞・脳梗塞などの循環器系疾患の発症との関連が示唆される指標であるEPA/AA比を取り入れ、全社平均0.4を目標値としています。これは、ニッスイの主要事業であるファインケミカル事業の中核をなすEPAを社員の生活習慣病予防に役立てるニッスイならではの活動で、本年度も継続して実施しました。
- EPA/AA比の改善に取り組む「EPAチャレンジ」も継続して実施、定期健康診断前にEPAを多く含むニッスイ商品を希望者に無償で提供しました。
- 健康診断によるEPA/AA比の測定結果は個人にフィードバックしたほか、部署ごとに集計して「健康番付」を作成しました。
- 従業員の魚食を推進する「お魚食推進キャンペーン」を実施しました。
(2)肥満率の改善
- 運動不足の改善や社内コミュニケーションの活性化のため、3~5人1チームとなって参加する「第2回カラダ改善コンテスト」を実施しました。特定保健指導の対象となりうるBMI25以上の参加者のうち8割弱の体格指数(BMI)値が改善しました。
- 「RIZAP式筋力UPトレーニング」セミナーをオンラインで実施しました。
- 定期健康診断時期にあわせて生活習慣を見直すプラス行動を支援する取り組み「健康+(プラス)ストレージキャンペーン」を継続して実施しました。
- 定期健康診断結果にもとづく産業保健スタッフによる保健指導を引き続き実施しました。
- 食堂を併設する事業所では食生活改善活動を継続して実施しました。
- WellBisとスマートフォンなどを連携させて集計した2カ月間の歩数で賞品を贈呈するウオーキングイベント「ウェルビスDE歩こう!」を新たに実施しました。
(3)喫煙率の低減
- 喫煙率の低減に引き続き取り組んだ結果、前年より1.3%減少して21.4%となりました。
- 2023年3月1日に開始した「365日就業時間禁煙化」に向けて、以下を実施しました。
□毎週水曜日と金曜日の就業時間中を禁煙とする「禁煙デー」を継続実施
□毎月第2週の1週間を禁煙とする「禁煙ウィーク」を継続実施 - 「世界禁煙デー」にあたる5月31日を初日として6月6日までの1週間、全社一斉禁煙を実施しました。
- 禁煙外来治療への補助を実施しました。
(4)「健康UPセミナー」の開催
- 従業員の健康に関する意識を高め、自身の行動変容につなげることを目的に一昨年より実施しており、本年も継続しました。「魚の機能性について(EPAと速筋タンパク)」(5月)「セルフケアとメンタルヘルス」(9月)を実施、「腸を整えて健康になろう」(1月)を実施しました。
(5)こころの健康サポート
- 2006年から「ココロの健康診断(ストレスチェック)」を年1回実施してメンタルヘルスの向上に積極的に取り組んでおり、本年も6月に実施しました。結果は具体的な職場環境の改善活動につなげています。
- ハラスメント対策として、8月にハラスメント傾向チェックを実施、その結果を受け9月に注意すべき行動を過去判例等から学ぶ研修を実施しました。
*1 「健康経営」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
*2 「健康経営銘柄」は、東京証券取引所の上場企業の中から、従業員の健康管理を経営の視点で考え、戦略的に取り組む企業を選定するもので、2015年から実施されています。「健康経営」に優れた企業を選定し、長期的な企業価値の向上を重視する投資家にとって魅力ある企業として紹介することを通じて、「健康経営」に取り組む企業が社会的に評価され、より「健康経営」の取り組みを促進することを目指しています。
*3 ニッスイの健康経営宣言
従業員が「能力を十分に発揮できること」「従業員とその家族のQOL(生活の質)の向上」を目指して、従業員の心と体の健康を積極的にサポートすることにより、多様な人財が健康で能力を発揮できる環境を整備し、生産性向上につなげることを企図しています。
*4 EPA
EPA(エイコサペンタエン酸)はイワシなどの魚油に含まれる成分のひとつで、オメガ3系の必須脂肪酸の一種ですが、体内でほとんど生成できないため、毎日の食生活を通じて摂取する必要があります。
EPAは、心疾患リスクの軽減や血中中性脂肪の低下、抗炎症などのさまざまな作用が認められています。1990年には閉塞性動脈硬化症、1994年には高脂血症の治療薬として認可されました。
*5 速筋タンパク
スケソウダラの俊敏な動きの源となる瞬発力を発揮する「速筋」のタンパク質です。ニッスイではこの速筋タンパクが摂取できるフィッシュソーセージや練り製品などのスケソウダラを使用した製品を発売しています。
*6 EPA/AA比
EPAとAA(アラキドン酸)の体内バランスを示す比率です。AAは必須脂肪酸で、肉や植物油(リノール酸)の摂取に偏った食生活を続けていると体内で増えて炎症を促進し、動脈硬化を起こしやすい体質にするものです。一方EPAは、炎症を抑制し動脈硬化が起こりにくい体質にします。EPA/AA比が高いと心血管疾患による死亡率が低いことが発表され(九州大学大学院医学研究院による「久山町研究」、Atherosclerosis 231 (2013) 261-267)、EPA/AA比があらためて注目されています。
*7 「WellBis(ウェルビス)」
一般財団法人日本予防医学協会が提供する健康管理支援システムで、健康診断結果をパソコンやスマートフォンで確認できる、ウェブ閲覧ツールです。
以 上