ニッスイ参加の「機能性水産資源によるフレイル対策」研究コンソーシアムの研究課題が 令和4年度「イノベーション創出強化研究推進事業」に採択
2022年11月18日
日本水産株式会社(代表取締役 社長執行役員 浜田晋吾、東京都港区、以下「ニッスイ」)が参加している「機能性水産資源によるフレイル対策」研究コンソーシアム(以下「本コンソーシアム」)の研究課題が、生物系特定産業技術研究支援センターが公募する令和4年度「イノベーション創出強化研究推進事業」(JPJ007097)の新規課題として6月3日に採択され、代表機関の愛媛大学と同センター間で契約を締結しました。
同事業は、『「知」の集積と活用の場』からの提案など、異分野のアイデア・技術等を農林水産・食品分野に導入し、革新的な技術・商品・サービスを生み出す研究や研究成果の迅速な実用化・事業化を図る実証研究の支援を目的とするもので、新たなビジネスの創出につながる基礎・応用段階から実用化段階までの研究を対象としています。
このたびの本コンソーシアムの研究課題は、同事業の「応用研究ステージ」の「産学連携構築型」として採択されました。
●研究課題の概要
コンソーシアム名:機能性水産資源によるフレイル対策
課題名:持続的安定供給可能な水産資源を活用した医食連携によるフレイル対策及び栄養介入法の確立と、有用成分を含有する次世代機能性水産資源のリスト化を通じた国内水産業活性化への寄与
実施期間:令和4~7年度(4年間)
統括者:岸田 太郎(国立大学法人愛媛大学大学院農学研究科 教授)
代表機関:国立大学法人愛媛大学
共同研究機関:日本水産株式会社・学校法人関西医科大学 関西医科大学・学校法人都築第一学園横浜薬科大学・国立大学法人宇都宮大学・国立大学法人北海道大学大学院水産科学研究院・国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科・学校法人日本大学生物資源科学部
ニッスイは、本コンソーシアムによる研究活動を含め、これからも水産物が持つ特徴的な機能に着目した研究を継続するとともに、その成果を活用して、健やかな生活とサステナブルな未来を実現する新しい"食"を創造していきます。
【これまでの主な研究成果】
ニッスイの食品機能科学研究所では、白身魚であるスケソウダラのタンパク質(Alaska Pollack Protein、APP)の筋肉増加効果について、2009年より愛媛大学と研究を開始し、2018年3月にAPP研究会(*)を設立、同大学をはじめとする18の大学や研究機関と研究体制を整えて共同研究を行っています。
またこの共同研究の一部は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP、2014-2018年度、研究課題番号14533567)の「次世代農林水産業創造技術」(生物系特定産業技術研究支援センター)の共同研究として実施されました。
この共同研究から得られたスケソウダラの「速筋タンパク」に関する研究成果として、高齢者において特別な運動をしなくても筋肉量が増加することや、強度なトレーニングと併用して筋力が早期に増加することなどを見出したことが挙げられます。
さらにニッスイでは、2020年よりAPPをスケソウダラの「速筋タンパク」として、研究で得た筋肉増加効果の認知獲得・向上に取り組んでいます。
*複数の研究機関で構成され、農林水産省管轄の「知」の集積プラットフォーム(「水産物由来成分を活用したロコモーション機能改善素材探索」研究開発プラットフォーム)内の分科会として活動している産学官連携の研究組織です。
以上