ニッスイ「スケソウダラのロコモーション改善機能性研究、並びに社会実装」が「令和4年度 民間部門農林水産研究開発功績者表彰」農林水産大臣賞を受賞

2022年10月19日

日本水産株式会社(代表取締役 社長執行役員 浜田晋吾、東京都港区、以下「ニッスイ」)の「スケソウダラのロコモーション改善機能性研究、並びに社会実装」の取り組みが、10月14日、農林水産省および公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会が共催する「令和4年度(第23回)民間部門農林水産研究開発功績者表彰」の農林水産大臣賞を受賞しました。
本表彰は、同省・同協会により民間部門の農林水産研究開発に関して優れた功績をあげた者を表彰するものです。
10月27日15時より、「アグリビジネス創出フェア」(主催:農林水産省、10月26日~28日、東京ビッグサイト西1ホール)において表彰式と記念講演が実施されます。

受賞者と所属・役職、受賞理由および研究内容・成果は以下の通りです。

■受賞者

氏名 所属・役職
杉山 公教 日本水産株式会社 食品機能科学研究所長
柳本 賢一 同        食品機能科学研究所 機能性素材開発課長
内田 健志 同                  機能性素材開発課 主任研究員
吉田 恵里子 同                  機能性素材開発課 研究員
赤松 裕訓 同                  機能性素材開発課 研究員

■受賞理由
スケソウダラのタンパク質であるAPPが、速筋を肥大させ、運動介入を併用せずに筋肥大を起こすことを明らかにし、この特徴を製品化に結び付けている。高齢化社会におけるQOL低下の要因の一つとなっているロコモティブシンドロームに食の面から改善できることが期待される。

■研究内容・成果
ロコモーション(運動)機能の低下が一定以上進むと健康寿命が尽きると言われており、健康寿命の延伸を目指す日本においては、ロコモーション機能維持は大きな課題となっている。ロコモーション機能は、筋肉が中心的な役割を果たすが、40歳以降は年1%程度減少するため、その対策が強く求められている。
筋肉増加には、「充分なたんぱく質摂取」と「強度な運動」が必要であるが、ニッスイの研究は、スケソウダラの速筋タンパク(APP)摂取により、「強度な運動」に類似した作用が筋肉内で起きることや、その結果、筋肉(特に速筋)増加させることを見出した。また、若齢から高齢者までの健常者と要支援・要介護認定者を対象としたヒト試験で、1日あたりAPP4.5gを摂取することにより、筋肉や筋力の増加を示した。
これらの情報は、日本の健康対策に対する方針(フレイル予防など)やタンパク質ブームなどもリンクし、メディアのニーズにも合致し、多数のメディア掲載に至るともに、練製品市場の活性化に繋がった。さらに、ニッスイではその概念を多数の商品設計に活用し、速筋タンパクシリーズの展開が開始された。

■普及状況
ニッスイでは2018年より、これらの研究で得たスケソウダラタンパク質の筋肉増加効果の認知向上の取組みを開始し、2021年までの間にメディアに取り上げられた件数は、テレビ16件、新聞46件、雑誌16件、ウェブ354件となりました。当研究は、かに風味かまぼこを含めたすり身製品の市場拡大に貢献し、2022年4月時点のスケソウダラの筋肉増加効果に関する一般の内容認知率は7%台です。

以 上

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