ニッスイの健康経営、2022年度の取組み計画
2022年05月26日
日本水産株式会社(代表取締役 社長執行役員 浜田 晋吾、東京都港区、以下「ニッスイ」)では、「健康経営(*1)宣言」(2016年度制定、*2)に基づき2017年度より健康経営に着手して以来、本年度で6年目となりました。これまでの活動の結果、経済産業省と東京証券取引所による「健康経営銘柄」に2019~22年の4年連続で選定されています。
今年度より着手している長期ビジョン「Good Foods 2030」では、主要な取組みのひとつである「サステナビリティ経営推進」により、経済価値・環境価値・社会価値・人財価値の向上を目指しています。健康経営は人財価値向上の施策のひとつと位置づけており、2030年のありたい姿として、健康経営の実現、すなわち「一人ひとりが十分に能力を発揮できる姿」「従業員とその家族の生活の質の向上」の実現が会社としてのさらなる成果向上につながる状態となることを目指します。 この長期ビジョン「Good Foods 2030」の「最初のレシピ」である中期経営計画「Good Foods Recipe1」(2022~24年度)では、個人に向けて「個人の健康促進」「私生活との両立支援」、職場に向けて「働きやすくやりがいのある職場づくり」に取り組みます。 初年度2022年度の「個人の健康促進」の施策として、「EPA(*3)/AA比(*4)の向上」「肥満率の改善」「喫煙率の低減」を引き続き実施します。
「EPA/AA比」の向上
2016年度より、全従業員の定期健康診断の検査項目に、心筋梗塞・脳梗塞などの循環器系疾患の発症との関連が示唆される指標であるEPA/AA比を取り入れ、全社平均0.4を目標値としています。ニッスイの主要事業であるファインケミカル事業の中核をなすEPA(エイコサペンタエン酸)を社員の生活習慣病予防に活用する活動で、今年度も継続して実施します。 これまで実施してきた、定期健康診断前にEPAを多く含むニッスイ商品を無償で提供して、EPA/AA比の上昇に取り組む「EPAチャレンジ」を、今年度は目標値0.4未満の従業員に対象を拡大して参加を募ります。 また、社員の魚食を推進するため、対象期間中に摂食した魚メニューを撮影して投稿すると、投稿画像累計件数100件ごとに抽選で景品をプレゼントする「お魚食推進キャンペーン」を実施します。
肥満率の改善
ニッスイの従業員の肥満率はこれまで漸減傾向にあり、21年度は全国平均並みとなりましたが、引き続き課題として取り組みます。 本年度は、昨年好評裡に終了した「カラダ改善コンテスト」の一部を変更して、「第2回カラダ改善コンテスト」を実施します。3~5人1チームとなって5~7月の2か月間で、生活習慣に運動やバランスの取れた食事を取り入れて、今年度は脂肪量減少・筋肉率増加および毎日の歩数をポイント化してチーム間で競いあいます。 参加者には自社製品の速筋タンパク商品を無償提供し、カラダ改善コンテストのサポートをするとともに、優勝チームには賞金を贈呈、個人賞も用意しています。 また付帯企画として「RIZAP筋力UPセミナー」のオンライン開催も予定しています。
そのほか、定期健康診断時期にあわせて生活習慣を見直すプラス行動を支援する取り組み「健康+(プラス)ストレージキャンペーン」も継続します。健康増進や生活改善につながるコースを選択して60日間での達成目標を設定し、達成者には賞金もしくは健康支援グッズを贈呈します。 また、定期健康診断結果にもとづく産業保健スタッフによる保健指導の強化や、食堂を併設する事業所では食生活改善活動も実施します。
喫煙率の低減
これまでの禁煙の取組みによりニッスイ従業員の喫煙率は漸減傾向となっていますが、まだ全国平均より高い状況にあり、引き続き対策に取組みます。 2023年3月に「365日就業時間禁煙化」を目指しており、それに向けて昨年度までに毎週水曜日の就業時間中を禁煙とする「禁煙デー」、毎月第2週の1週間を禁煙とする「禁煙ウィーク」を設定し、第2週目(ニッ)と水曜日(スイ)を禁煙日とした「ニッスイ(第2週&水曜日)禁煙days」を実施しました。 本年度はこれに加えて、9月より毎週金曜日の就業時間中を禁煙とします。 また昨年に引き続き、「世界禁煙デー」にあたる5月31日を初日として6月6日までの1週間、全社一斉禁煙を実施します。
*1 「健康経営」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
*2 ニッスイの健康宣言
従業員が「能力を十分に発揮できること」「従業員とその家族のQOL(生活の質)の向上」を目指して、従業員の心と体の健康を積極的にサポートすることにより、多様な人財が健康で能力を発揮できる環境を整備し、生産性向上につなげることを企図しています。
*3 EPA
EPA(エイコサペンタエン酸)はイワシなどの魚油に含まれる成分のひとつで、オメガ3系の必須脂肪酸の一種ですが、体内でほとんど生成することができないため、毎日の食生活を通じて摂取する必要があります。
EPAは、心疾患リスクの軽減や血中中性脂肪の低下、抗炎症などのさまざまな作用が認められています。1990年には閉塞性動脈硬化症、1994年には高脂血症の治療薬として認可されました。
なおニッスイでは、肉中心の食生活を送る現代人に向け、肉の日(29日)の翌日の30日に青魚のEPAを摂取すること推奨し、バランスの取れた食生活を提案するため、毎月30日を「EPAの日」として一般社団法人日本記念日協会に登録、認定されました。
*4 EPA/AA比
健康を維持するEPAの機能についてはすでに多くのことが明らかにされていますが、今日、特に注目されているのが、EPAとAA(アラキドン酸)の体内バランスを示す比率「EPA/AA比」です。
AAは必須脂肪酸ですが、肉や植物油(リノール酸)の摂取に偏った食生活を続けていると体内で増えて炎症を促進し、動脈硬化を起こしやすい体質にするものです。一方EPAは、炎症を抑制し動脈硬化が起こりにくい体質にします。
EPA/AA比が高いと心血管疾患による死亡率が低いことが発表され(九州大学大学院医学研究院による「久山町研究」、Atherosclerosis 231 (2013) 261-267)、EPA/AA比があらためて注目されています。
以 上