高純度EPA医薬品原料を米国に出荷開始
2021年10月14日
日本水産株式会社(代表取締役 社長執行役員 浜田 晋吾、東京都港区、以下「ニッスイ」)のファインケミカル総合工場鹿島医薬品工場(茨城県神栖市)および同つくば工場(茨城県つくば市)は、米国食品医薬品局(FDA)による高純度EPA(*1)医薬品 (*2)の原料生産設備としての適格性審査を通過し、米国向けに医薬品原料の出荷を開始しました。 今後、米国での高純度EPA医薬品の生産・販売が拡大することが見込まれ、両工場でも出荷拡大に向けて体制を整えて取り組んでいきます。
ファインケミカル総合工場 鹿島医薬品工場 2017年5月11日竣工
*1 EPA(エイコサペンタエン酸)
イワシなどの魚油に含まれる成分のひとつで、オメガ3系の必須脂肪酸の一種。心疾患リスクの軽減や血中中性脂肪の低下、抗炎症などのさまざまな作用が認められており、日本では1990年には閉塞性動脈硬化症、1994年には高脂血症の治療薬として認可されました。
ニッスイは、千葉大学と1980年に着手したEPAの疫学調査によりその有用性を把握し、持田製薬との医薬品の共同開発を経て、1990年に医薬品の承認を得るに至りました。また高度精製技術を開発して、高純度EPAの生産に世界で初めて成功しました。
*2高純度EPA医薬品
EPAを分離・精製することにより、EPA純度を96.5%以上とした医薬品です。
日本では高脂血症を対象としていますが、米国ではこのほかに、血中トリグリセリド(中性脂肪)値が150mg/dL以上でスタチン系薬剤(*3)を使用している、心血管疾患などの循環器系疾病に複数のリスク因子を抱える高リスク患者への適用がFDAにより2019年に認められました。
米国のスタチン処方を受けている患者数は38百万人と見られています。
*3スタチン系薬剤 コレステロールを低下させる薬剤で、心筋梗塞・脳梗塞などの心血管疾患の発症を予防する効果があります。 【ファインケミカル総合工場鹿島医薬品工場 概要】 所 在 地:茨城県神栖市東深芝18-2 工場延床面積:3,708㎡ 従 業 員 数 :45人(2021年9月現在) 【ファインケミカル総合工場つくば工場 概要】 所 在 地:茨城県つくば市大久保7 テクノパーク大穂 工場延床面積(医薬品部門): 999㎡ 従 業 員 数 (医薬品部門):40人(2021年9月現在)
以 上